多様化する働き方とは無縁な障がい児子育て
働き方改革やコロナ禍によるリモートワークの推進などにより一層多様化する働き方。
ですが、ろう学校へ通いながら、共働きを実現する方法に選択肢は限られているように思います。
難聴が発覚し、病院で検査して、まだ本当に難聴なのかな、と思う最中で、あれよあれよとろう学校を訪れ、あれ?これって働きながら通えそうにないけど、子どものためには必ず必要です、と。人生最大の決断を迫られるような気分ですよね。
特別支援学校や他の学校のカリキュラムをみたことはないので、比較したわけではありませんが、ろう学校のカリキュラムは中々パンチが効いています。
<ろう学校0〜5歳児カリキュラム(例)>
0歳児:グループクラス隔週1日/個別クラス月1日/手話講座月3回/講座月2回
1歳児:隔週1日/個別クラス月1日/手話講座月3回/講座月2回
2歳児:グループクラス週1日/個別クラス月1日/手話講座月3回/講座月2回
3〜5歳児:週5日
※講座: 難聴に関する教育関係者、難聴当事者や難聴児を育てた親御さん等がスピーカーとなりテーマに沿って話すセミナー
0〜3歳までは要付き添い、基本平日のみ、全て通おうと思ったらすぐに有休はなくなってしまいます。
0〜2歳はお昼すぎぐらいまでが中心ですが、3歳児クラスに至っては平日週5日〜14:30頃まで。そこから保育園に預けて...家に帰って...いずれにしてももういつ仕事をしたらいいのって感じです。
でも何もかもが手探りな私には、ろう学校に通わない選択肢はありませんでした。
ちなみに頑張って通おうと思ったのですが、仕事を辞めない選択をした私たち家族はこんな感じで通っていました。かなり不良生徒です
0歳児:グループクラス2ヶ月に1回/個別クラス年2回/手話講座年2回/講座年2回
1歳児:グループクラス2〜3ヶ月に1回/個別クラス年3回/手話講座年3回/講座年1回
2歳児:グループクラス1〜2ヶ月に1回/個別クラス月1日/手話講座年3回
3歳児:週5日
通い始めた当時私は転職して未だ日が浅く、旦那は仕事が忙しく夜も遅くで、2歳まではあまり通うことが出来ませんでした。
でも、息子はすくすくと育ち、
コミュニケーション力もどんどん伸びて
正直2歳までは通えなくても差は出なかったと感じます。
(1番差を感じたのは親の手話力でした...)
全てを両立することは難しく、
ろう学校も仕事も100%満足いく形がつくれているかと言うと、
手話はまだまだ勉強中、キャリアはゆっくり。
でも私は子どもも仕事も好きだから、
今自分が選べる最高の生活を送れていると思っています。
「ろう学校に通いながら、仕事を辞めない選択肢もあります。」
私がろう学校に訪れた初日に1番欲しかった言葉を届けます。
「お母さんは仕事辞めるのが当たり前」、障がい児の子育てに令和は訪れるのか
「お母さんはみんな仕事を辞めてます。」、これは私が初めてろう学校(ろうや難聴の子が通う学校)を訪れた日に掛けられた言葉です。
みんなって誰?共働きの時代じゃないの?
昭和から変わらない時間が流れるかのような一言は、不安を抱える私にとっては衝撃以外のなにものでもなく、
「障がい児を産んだら人生終わった。」って呟いた母親の話昔話題になってたな〜と最早遠い過去の世界のことのようでした。
そんな衝撃から始まった障がい児の子育てですが、今フルタイムで仕事をしながら、息子はろう学校に楽しく通っています。
まずは簡単に自己紹介から...
私は都内在住のアラサーワーキングマザー。フルタイム×フレックスで働いています。息子は補聴器と人工内耳を装用する重度難聴です。救急車のサイレン、物の落下音、お風呂の呼び出し音が聞こえるか聞こえないかぐらいというと分かりやすいでしょうか。新生児スクリーニングで難聴が発覚し、生後4ヶ月からろう学校と保育園に通っています。
自分の子どもに障がいがあるかもしれない、と分かった瞬間、みなさんは何をしますか?
私は難聴かもしれないと言われた時に、まず「検索」をしました。知らないって怖いから、とにかく些細な情報でも知りたい。障がい児を育てる親の多くが通る検索魔期。私もその1人でした。そして意外と少ない情報に一喜一憂し、希望を手繰り寄せ、ネガティブな情報に涙する、そんな日々を繰り返していました。
障がいは人それぞれ、受け入れ方も生き方も人それぞれで、私は情報は多いほどに良いと思っています。なぜなら偏った意見に左右されず、自分で選びたいから。
これから難聴のあるお子さんを育てるご両親が迷った際の一意見、一情報として参考になるよう、息子のこと、仕事のこと、少しずつ綴っていきたいと思います。